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■製品レビュー  FONT WIRE 3400 
ゲットプラス
データクラフト


2004/11/1
 FONT WIRE 3400

 今回は『素材辞典』でおなじみのデータクラフトからリリースされた、同社初のフォント製品『FONT WIRE 3400』を見てみた。管理人は欧文フォントにはあまり興味がないので和文フォントを中心にお伝えする。


総数3400書体の大ボリューム!

 フォントの世界ではまったく無名だったデータクラフトがコストパフォーマンスという武器を引っさげてフォント業界に殴り込み! この製品にはそういえるほど強烈なインパクトがあるのだ。というのも、日本語フォント150書体を含めてなんと総数3400書体ものフォントをパッケージングした商品を実売1万円前後の価格でリリースしたのだよ。まさかダイナコムウェア以外でこのようなフォント商品を発売するところがあると誰が予想し得ただろうか。


FONT WIRE 3400
標準価格:¥13,700(税込)
GetPlus特価:¥8,226(税込)

 フォント形式はWindows版のTrueTypeフォント。Mac版も2005/3/11に発売。


パッケージ内容

 パッケージはCD-ROM2枚と書体見本帳とマニュアル、登録ハガキ等と、一般的な内容だ。CD-ROMには容量限界まで目一杯入っているようで良心的に感じた。


CD-ROMは2枚組み


インストール
 ハードディスクのフォントフォルダにドラッグコピーするだけ。複雑なインストーラーは使わないので無用なエラーを起こす心配がない。ただ、フォルダがいくつもあって複雑に感じた。が、1つのフォルダにまとめられてもやっぱり分かりにくくなると思うので、これでいいのかもしれない。ボリュームがあるが故の悩みだ。(^^


日本語フォント
 実はこのパッケージに収録されている和文フォントはすべて他社で制作されたものをOEMで集めたもので、データクラフトが作ったものは1書体もない。であるから、フォントのラインナップは率直に言うとチグハグしており、書体数の割にゴシック体や明朝体等の基本書体のラインナップがやや弱いと言えなくもない。(とはいっても、11書体もあるが。)もっとも、基本書体はすでに揃っているので他の書体が沢山欲しいという人にはラッキーと言えよう。

 OEM供給元は、台湾のアーフィック、シーアンドジィ、日本リテラル、システムグラフィ、アトリエケイ、日本書技研究所、有澤祥南といったところ。さすがにモリサワやモトヤクラスのフォントベンダーは含まれていないが、この製品の価格でそれを望むのは酷というものだろう。とはいっても、プロユースでも使える高品質なフォントもたくさんあるので不満はまったくない。

 管理人のDTPデザイナーとしての見地からオススメフォントを数書体ピックアップしてみよう。


▲日本リテラルの『セイビイサラゴ UB』
洗練された極太モダン角ゴシック。迫力のある大見出しに最適だ。



▲『有澤中太楷書』
とてもスマートな楷書体で使用範囲は広い。

▲システムグラフィの『GSN 行書 B』
極太で大迫力の行書体。



▲日本リテラルの『セイビアイ M』
ハイクオリティなデザインでとってもオシャレ。本文にも使えて活用範囲は極めて広そうだ。



▲シーアンドジィの『C&G 行刻』
こちらも高いデザイン品質を誇り、ちょっと伝統的な雰囲気を漂わせる。



▲日本リテラルの『セイビ特太角ポップ体』
実に完成度の高いPOP体。ポップな感じを演出したい場面に最適。



▲日本リテラルの『セイビミナト B』
「セイビ特太角ポップ体」よりもさらに柔らかいイメージを表現できる。



▲アトリエケイの『雅楽 M』
とても個性的で遊び心のあるデザインをしており、軽快感を出したいシーンに良さそう。



▲『BT 12G LCD Light』
携帯電話の液晶画面等を表現したいときに向いている。



 他にも魅力的な和文フォントがあるので、当サイトの『Datacraft』のページで是非チェックして欲しい。


欧文フォントとその他
 欧文フォントには興味がないといっても、まったくないワケでもないので少し触れてみるが、実はこの製品のパッケージには、

※日本語150書体以外の、デザイナーズフォント287書体、欧文3007書体、中国語・韓国語15書体は特典として収録しています。サポート対象外となりますので、予めご了承ください。』

と記載されている。つまりはオマケである。
 欧文フォントも『KEY FONTS 3007 書体』(マーキュリー・ソフトウェア・ジャパン)のOEMであり、ダイナコムウエアの製品にもバンドルされたこともあるものだ。私はダイナ製品のバンドル版をすでに持っていたのでありがたみは正直あまりなかったが、持っていない人にはうれしいオマケといえるだろう。買うとこれだけで7千円くらいするものだからね。
 欧文フォントの書体見本はマーキュリー・ソフトウェア・ジャパンのサイトで確認できる。

 1バイトのデザイナーズフォントに関してはネットで無償で手に入るものも少なくないので、まぁオマケのオマケって感じでしょうか…。

 中国語・韓国語フォントに関しては完全ノータッチなのでノーコメント。個人的には飾り罫フォントなどの方が嬉しかったかな。


総評

 この製品の存在を初めて知ったとき、『FONT WIRE 3400』という商品名から「どうせ欧文フォントが3400書体くらい入ったものなんだろう。」と軽く考えてしまった。そう、まったくインパクトのない商品名なのだ。これは相当損をする名前だと思うね。この商品のウリは「日本語フォント150書体収録」という点であり、欧文フォントはオマケ扱いなのだし、もっと日本語フォントを前面に出した分かり易いネーミングにするべきだった。ブランド戦略を推し進めるワケでもなし、この手の商品はたくさん売ってナンボのものだろうし、同社からは『素材辞典』という良いネーミングの商品もあるのだから、私だったら『日本語フォント大全集150+α』みたいなものにしたね。

 まぁ、商品名においてはイマイチと思うのだが、やはりこれだけの書体数を収録して実売1万円前後の値段でリリースした事実はすべてを圧倒する。この強烈なコストパフォーマンスの真実を知ったならば商品名のことなどもはや問題ではない。葵の紋所を眼前にしたごとくただただひれ伏すのみである。控えおろう!(ははーっ!)しかも嬉しいことに商用利用も別途契約なしに使用可能なのだよ、八兵衛!(但し、映像やゲーム等のデジタル作品や、ロゴ等に使用することは不可) ダイナフォントに続き他のフォントメーカーに恨まれること請け合いの強力な商品力を持ったものがこのデータクラフトの『FONT WIRE 3400』だ。絶対買って損はない…、いや、買わないと絶対損をするといっておこう。自信を持ってオススメできる一品だ!


メーカーWebサイト:データクラフト


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