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Fontに関するお勉強です。Fontの知識を深めましょう。
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フォントの形式
◆Bitmapとアウトライン
◆TrueTypeフォント
◆OpenTypeフォント
◆PostScriptフォント
・OCFフォント
・CIDフォント
・MMフォント

フォントの基礎知識
◆書体の種類
◆フォントの基礎知識
◆欧文フォントの基礎知識

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フォントクイズ
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●「フォント」と「書体」の違い

◆厳密に言うと違うけど、大雑把に言えば同じもの。
 「フォント」と「書体」の違いを意識したことがあるでしょうか。「フォント」とは活字時代に生まれた言葉で、大文字・小文字・数字などの同一書体で同一の大きさの欧文活字のひと揃いのことを言い、「書体」は字形の様式・特徴・傾向などに一貫を持たせて形成された、明朝体、ゴシック体、楷書体などに対して言います。英語で書くと「フォント」が「Font」、「書体」が「Type face」となり、別物だということが分かります。用例をあげるなら「ゴシック(書体)のフォント」などと使います。

 しかし、パソコンの普及でこの二つの境界が曖昧になってきました。パソコンに入っているものは「フォント(データ)」ですが、ワープロなどのアプリケーションソフトから選ぶのは明朝体やゴシック体などの「書体」です。また、「フォント」に置き換わる日本語が存在しなかったため、初心者にも分かりやすいように近い意味である「書体」が代用されたという経緯もあります。実際、「フォントメニュー」と「書体メニュー」という言葉がまったく同じ意味で使われています。

 時代の変化と共に言葉の意味も変化してくることはまったく珍しいことではありません。従来の「フォント」と区別するためにパソコン用のフォントのことを「デジタル・フォント」などと称することもありますが、あまり一般的ではないでしょう。
 厳密に言うと違うものですが、「フォント=書体」と言ってもあながちハズレとは言えません。


●フォント形式の種類を知ろう。

◆「ビットマップフォント」と「アウトラインフォント」
 パソコンで使われているフォントには、滑らかな表示ができる「アウトラインフォント」と、「ビットマップフォント」と呼ばれるギザギザに表示されるフォントの2つに大きく分類されます。しかし、「ビットマップフォント」はMacOS X ではサポートされておらず、Windowsでもアプリケーションから直接扱えないために現在ではほとんど使われることはありません。なお、「アウトラインフォント」には下図のように様々な形式が存在します。


 ビットマップフォントは、点(ドット)の集まりで文字を表現しており、データ量が少なくて表示が早いというメリットがある反面、ギザギザの粗い文字になってしまいます。逆にアウトラインフォントは、文字の輪郭(アウトライン)がなめらかに表示できますが、データ量が多くなります。携帯電話などの小さい液晶画面の携帯端末などはクッキリ表示できるビットマップフォントが一般的です。



◆代表的なアウトラインフォントは3種類
 アウトラインフォントと一口にいっても様々な形式(フォーマット)があり、代表的なものとして「TrueTypeフォント」「OpenTypeフォント」「Postscriptフォント(Type1フォント)」の3種類を挙げることができます。

 TrueTypeフォント
 Adobe社のPostscriptフォントに対抗し、Apple社がMicrosoft社と共同開発したフォント形式。2次スプライン曲線という関数式で記述されている。MacOSは漢字Talk7.1から、Windowsでは3.1からシステムフォントとして採用されており、使用するのに専用のユーティリティなどがいらないのでとても扱いやすい。また、プロユーザー向けのPostscriptフォントに対し、比較的安価な価格設定がされているのもTrueTypeフォントの特徴と言えます。(高価なTrueTypeフォントももちろんあります。)
 MacOSでは「Osaka」や「平成明朝」、Windowsでは「MS ゴシック」「メイリオ」などが該当します。

●Windows TrueTypeフォント
 Windowsには拡張子が「ttf」と「ttc」という2種類のTrueTypeフォントがありますが、「ttc」はTrueType Collection の略で、字間を詰めたプロポーショナルフォントといわれるフォントなどが通常の等幅フォントとともに1つのファイルにまとめられています。



ダイナコムウェアの平成明朝体W5「TTC」ファイルには右の3つのフォントが収められている。


●Mac TrueTypeフォント
 MacOSのTrueTypeフォントにはMacOS 9 以前から使われていた従来のものと、Apple 社が Mac OS X のために新たに開発したフォント形式「dfont」(データフォークTrueType フォント)の2種類があります。dfontは事実上システムフォントとしてのみ使用されるので、一般的な使い方には向いていません。なお、MacOS XではWindows TrueTypeフォントを扱うことができます。(その場合は使用規約の範囲内で利用してください。)

拡張子が付いていない場合は「FFIL」
のアイコンになります。

 OpenTypeフォント
 Adobe社とMicrosoft社が共同開発した、拡張されたTrueTypeフォーマット。同一ファイルでPostScript Type1フォントもサポートする。このOpenTypeの最大の特徴は、多言語対応の国際的なエンコーディング標準であるユニコードをベースとすることにより、WindowsやMacOSといったプラットフォームの違いを意識することなく、一つのフォントが両プラットフォームで動作することが挙げられる。その結果、従来データのやりとりで発生していた「文字化け」や「文字ズレ」などの問題が解消。さらに下記のようなメリットもあります。
  • 解像度制限がない。
  • ダイナミックダウンロード(プリンターやイメージセッター側に高価なプリンタフォントをインストールすることなく直接出力できること)が可能。
  • 外字や約物等が大幅に拡張されたので外字の問題が解消。
  • 字体切り替えに対応。
 なお、Open Type フォントには文字数の違うStd仕様とPro仕様とがあり、Pro仕様でもさらに何種類かの規格がある。(Apple規格「APGS」は現在では採用しているメーカーはなく、事実上消滅したといっていい。)

Std仕様Std・Adobe Japan1-3 …… 9,354字(std仕様のOTFで採用)
Pro仕様Pro ・Adobe Japan1-4 ……15,444字(モリサワ、FW等のPro仕様で採用)
Pr5 ・Adobe Japan1-5 ……20,317字(ヒラギノ、モリサワ等のPro仕様で採用)
Pr6 ・Adobe Japan1-6 ……23,058字(モリサワの一部Pro仕様で採用)
Pro ・Apple規格(APGS)…約17,000字(MacOS X初期バンドルのヒラギノで採用)
 ※ちなみに、OCFは約7,000文字、CIDは約8,000文字


◆OpenTypeフォントにも厳密にいうと二種類あり、ポストスクリプトをベースにしたもの(拡張子:.otf)と、TrueTypeをベースにした拡張子が.ttf のものとがあります。Windowsに標準で入っている欧文OpenTypeフォントは拡張子が「.ttf」のTrueTypeベースのものですが、一般の方は特に違いを意識する必要はないでしよう。

◆実際のところ、MacOSとWindowsとではごく僅かですが、文字ズレが発生するようです。ただし、InDesignのようにフォントへのアクセスをOSに依存しないアプリケーションでは互換性を保つことができる。また、InDesignでヒラギノフォントを小塚フォントに置き換えた場合などに、一部領域において文字化けが発生する。困ったもんだ。

Adobe-Japan1-6文字コレクションに対応する日本語OpenTypeフォントについて(Adobe)
Adobe-Japan1-6の文字→Adobe-Japan1-6.pdf





◆Postscriptフォント(Type1フォント)
 PostscriptフォントはAdobe社が開発した、3次ベジェ曲線で記述されたフォントで、2次スプライン曲線のTrueTypeフォントより複雑な曲線が作れると言われており、そういうこともあって主に出版や広告など、プロユーザーに使用されている。
 このPostscriptフォントがこれまた複雑でして、和文フォントにおいては画面表示用のATMフォントとプリンタ用のフォントがあり、さらに古い規格の「OCFフォント」というものと、新しい規格の「CIDフォント」がある。おまけに1つのフォントが複数のファイルで構成されていたり、古いOS(MacOS 9.2.2以下及びWindows Me以前)ではATM(Adobe Type Maneger)というユーティリティを組み込む必要があるなど、TrueTypeフォントなどに比べて扱いにくい仕様と言えます。ビジネスユースレベルであればTrueTypeフォントでも十分ということもあって、WindowsではPostscriptフォントはまったく普及しませんでした。


 なお、プリンタ用のフォントはプリンタに内蔵されたハードディスクにフォントをダウンロードして使うもので、フォントのラスタライズ(文字の羅列からフォントの形を描き出すこと)をプリンタ側で行えるのでスピーディに出力できる…ということらしいのですが、本当に高速化に役立っているのか個人的には疑問です。

 では、もう少し詳しく見ていきましょう。


 OCFフォント
 Original Composite Fontの略。PostScript Type 1フォントですが、正式にはType 0と呼ばれる。
 初めて世に出た和文ポストスクリプトフォントはOCF形式というものでした。当時は1つのフォントファイルに1バイト(256文字)しか収納できず、何千字もある日本語文字を1つのファイルに収めることができませんでした。そこで苦肉の策として、幾つものフォントファイルを寄せ集めて1つのフォントとしてしまったのがOCFフォントなのです。
 しかしツギハギだらけの複雑な構造が災いし、ラスタライズに時間がかかったり、PDFへの文字の埋め込み(エンベット)や字体切り替えに対応できないなどの制約が付いてまわり、また、MacOS Xでは構造上使用できないという致命的な問題もあって、新しい規格のCIDフォントへ移行することになりました。現在ではほとんどのメーカーで販売・サポートが終了しています。


3つのファイル、1つフォルダで1つのフォント

 CIDフォント
 Character IDentified-Keyedフォントの略。拡張Type 1、またはCID-Keyedフォントと呼ばれる。Mac DTPで現在一般的に使われているフォント形式。OCFのコンポジット構造を解消しシンプルな構造になった。日本語フォントの開発が効率的になるほか、フォント容量も僅かだが小さくなる。実際のメリットとしては、OCFでできなかったPDFへのフォントの埋め込みや字体切り替えが可能になることが挙げられる。(但し、モリサワの旧CIDはエンベッド不可。字体切り替えもInDesign等の対応アプリが必要。)
 OCFフォントに比べたらかなりの進歩ですが、より高機能なOpenTypeフォントの登場によりCIDフォントもOCFフォントのように近い将来消えていくことになるでしょう。

Mac版CIDフォント

■『モリサワ NEW CID フォント』とは?
 「New CIDフォント」と呼ばれるものがありますが、これはCIDフォントの最新版という意味ではなく、モリサワが最初にリリースしたCIDフォントの仕様を変更したフォントを指し、旧製品と区別するためにモリサワが付けた製品名の一部のようなものです。ちなみに、モリサワの旧CIDフォントはフォント名がOCFと同名だったので書体が勝手に置き換わってしまうようなことがあり、文字ズレ等の問題を起こしました。さらにアウトラインも取れず、PDFへの文字の埋め込みもできなかったので強い不評を招いたのです。


【2つのCIDフォント】
厳密にいうとCIDフォントには「Naked-CID」と「sfnt-CID」という2書類が存在する。現在販売されているCIDフォントのほとんどはsfnt-CIDと呼ばれるもので、Naked-CID(右記アイコン)にはない詰め情報と異体字切り替え情報を持っている。また、Naked-CIDはPDFに埋め込めないものもあり、MacOS Xのサポート対象外にもなっている。ちなみに、詰め情報及び字体切り替え情報はATMフォントにのみあればよく、必ずしも出力側にsfnt-CID形式を用意する必要はない。



 マルチプルマスターフォント
 Mulpitple Master Font。略してMMフォントとも呼ばれる。1つのフォントファイルでほぼ無段階のウエイト・バリエーション変化を可能にしたフォントです。発表された当時は画期的なフォント形式と評価されたが、開発の手間と使い勝手の悪さから普及に至らず、和文フォント(総合書体)は1書体も製品化されていない。また、肝心の開発元のAdobeも開発をやめてしまい、将来性のないフォント形式となってしまった。MacOS X でもマルチプルマスターフォントをサポートしているが、トラブルの原因ともなりかねないのであまり使用することはおすすめできない。


●その他のPostscriptフォント
 上記で紹介したPostscriptフォントは「Type1」と呼ばれるものだが、これ以外にも「Type3」「Type32」「Type42」などのPostscriptフォントが存在する。しかし、一般ユーザーが実際に触れることはほとんどはないので意識する必要はないだろう。



結局、どのフォント形式を選べばよいのか
 色々なフォント形式があるとわかっていただけたと思いますが、これだけあるとどれを選べばいいか頭を悩ませてしまうかもしれませんね。実際、DTPの現場では互換性の観点などからずいぶん苦労させられてきましたが、現在はかなり環境が安定してきたということもあり、フォントトラブルは滅多に起こらなくなりました。

 ズバリ、「TrueTypeフォント」か「OpenTypeフォント」を選んでおけば大丈夫!

 個人やビジネスユースなら、TrueTypeフォントで十分です。DTPなどのプロの現場ではOpenTypeフォントがオススメですね。主要なアプリケーションソフトがOpenTypeフォントに対応したということと、CIDフォントよりもメリットが多いということ、そして何より最も将来性のあるフォント形式だからです。
 MacOS X がOCFフォントをサポートしなくなったように、次ぎに切り捨てられるのはCIDフォントである可能性が一番高いと言えるでしょう。フォントメーカーもCIDフォントからOpenTypeフォントへ開発を移行しています。

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