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フォント雑記帖
フォントに関する戯言を中心にダラダラ無責任に記した雑記です。[無断転載厳禁]
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"フォント" の最近の雑記

  デザインシグナル『照和70』リリース!2010年3月 2日 01:25
 1月にデザインシグナルより新書体『照和70』がリリースされました。作者の解説によると「昭和の時代、懐かしい粉末ジュース、駄菓子やさん、ラムネ。はじめてのカップ麺、コーラ。そして70年代、時代を創ったフォークソング。そんなイメージでデザインされた書体。」ということで、いま流行っているレトロ風の書体ですね。

showwa70.jpg

 西暦1970年と言うと昭和45年。自分的には「昭和レトロ」というと戦後の混乱期を脱して高度経済成長真っ盛りの1960年代ってイメージがあります。当時は写植が出てしばらく経っていましたが、本文用の細目のゴシック体や明朝体ばかりで看板などに使えるような太めの書体やデザイン書体などはなく、ほとんどの文字はデザイナーが一字一字レタリングしていました。
 そういうワケで良くも悪くもやや完成度の低い文字が「昭和レトロ」をよく表現するファクターになっており、今回の『照和70』はその点をうまく表現したデザインになっています。

 『照和70』を普通のゴシック体と比べてみると、"抜き"のエレメントに特徴があることがわかります。ゴシック体の様相を呈しながら、本当に抜いたようなデザイン処理をしてうまく個性を出すことに成功しました。
nuki.gif

 では、早速『照和70』を使って「昭和レトロ」を表現してみましょう!

4.jpg

 うん、昭和レトロ感がよく出ているんじゃないでしょうか。書体に新ゴやヒラギノを使ったらこの味は出ないでしょう。それと、レトロ感を出すには凝ったデザイン処理は施さず、ベタ組みを基本にしてみた方が良い意味でのダサさが出てうまく表現できると思います。
 ちなみに、使用例はアドビのIllustratorで作成し、Photoshopでウェザリングして古くさい感じにしてみました。

 『照和70』は昭和レトロ感を演出したい場面でまさに活きてくる書体。むろん、通常の使用でもうまく使えば個性的で面白い表現ができるでしょう。いじり甲斐のあるフォントです。

●照和70
価格:15,750円(税込)
仕様:Mac及びWindows版TrueTypeフォント

デザインシグナル:http://design-signal.co.jp
販売サイト:デザインポケットDL-MARKETFont Factory

  大和堂『飛燕』リリース!2010年1月28日 17:32
 先日22日に大和堂より新書体『飛燕』がリリースされました。隷書体の天地を潰したような、レンズで歪曲されたようなユニークなデザインをしていて、このデザインはまったく想定外でした。微妙なフニャフニャ感がポイントです。



 ちょっと作例を作ってみました。



 ベタ組みだと字間の間が持たないので他のデザイン筆文字と同じように字詰めした方がまとまりやすい。

 さあ、この書体をどのような場面で使うのが効果的か。う〜ん、個性が非常に強いのでこれは使う人のデザインセンスがまさに試されますね。うまく使えばインパクトのあるものができそうです。

●飛燕
価格:11,550円(税込)
仕様:Mac及びWindows版TrueTypeフォント

大和堂:http://daiwafont.jp/
販売サイト:デザインポケットデザインエクスチェンジ

  デザインシグナル『一支國』リリース!2009年11月12日 10:21
 6日にデザインシグナルから新書体『一支國』がリリースされました。「一支國(いきこく)」とは、「魏志倭人伝」にみえる一大国で、長崎県の壱岐島を指す...らしいです。詳しいことは分からないので深くは言及しないでおきます。(^^:
 さて、今回の『一支國』は、「ハライは楷書のように、ハネあげは、六朝体、隷書体のように、筆の腹で押し上げるように力強く跳ね上げ、筆の動き持たせた書体。」とのこと。なるほど、ゴシック体のテイストを持たせつつ、筆で書き上げたようなストロークが特徴と言えるでしょう。

 Windows で一般的に使われている「MS ゴシック」と比較してみました。

 一目りょう然の違いがありますね。決して「MS ゴシック」が悪いワケではありませんが、「一支國」の方に味わいがあるのが分かると思います。
 「一支國」の特筆すべき点は手書きの雰囲気を持たせたことにより、ゴシック体のような固い印象を払拭したところです。かな書体だけでなく、漢字も敢えてそうしたと思われるやや泥臭いデザイン処理がいい味を出す結果となっており、やや小ぶりにデザインされた かな も、文字組みをしたときに落ち着いた印象を与えてくれます。

 「一支國」のような、"やや固いのだけどゴシック体ほど固くない書体"は結構使い道があると思いますね。例えば史跡の案内板とか。


 こういう案内板はゴシック体だと味気ないし、楷書体だとやや字面が小さくなって可読性がイマイチ。でも楷書体と隷書体、ゴシック体の要素を合わせ持った「一支國」なら歴史的な雰囲気に合って可読性も良好! 紙面の中見出しにもいけると思います。

 味気ないゴシック体では表現できない場面に生きてくる、そんな書体が「一支國」です。

●一支國
価格:15,750円(税込)
仕様:Mac及びWindows版TrueTypeフォント

デザインシグナル:http://design-signal.co.jp

  『欧文フォント』ページ拡充2009年9月28日 01:06
 以前からちょい隠しページとして公開していた『欧文フォント』ページですが、「MacOS X 10.5」と「Windows Vista」の両OS、「Adobe Illustrator CS3」に付属している欧文フォントを追加掲載しました。自分でいうのもなんですが、これはけっこー便利ではないかと思います。

http://www.akibatec.net/wabunfont/library/ohbun/ohbun.html

 Macをセットアップしてから欧文フォントはデフォルト状態で放置していて、フォントメニューにダラダラ表示されてちょっと鬱陶しく感じていた。欧文フォントは特定のものしかほとんど使わないので、他のはどんなフォントなのかもよく把握していませんでしたが、今回リストにしてみて使わなさそうなフォントがよく分かってゴッソリ削除することができました。
 しかし、沢山フォントがありましたが、目新しく感じたものはあまりありませんでしたね。そんな中で1つ面白いフォントが。それは「MacOS X 10.5」に入っていた「Apple-Symbols.ttf」。


Apple-Symbols

 アップルマークやらSCSIアイコン、ADBアイコンからNewtonアイコンまで。使い道はともかくとして、古いマックユーザーなら懐かしがっちゃいますね。

 『欧文フォント』ページはDTPの現場でも、相手先がフォントを持っているかどうか分かるので実用的ではないかと思います。検索でヒットするようにフォント名はテキストにしています。ぜひ、活用してみてください。


●たかデザインプロダクション『タカ悠光』『タカ悠京』
 たかデザインプロダクションより新書体『タカ悠光』『タカ悠京』がリリースされました。一時期流行ったお煎餅『おばあちゃんのぽたぽた焼』の雰囲気のする、まったり柔らかいイメージの書体です。(『ぽたぽた焼』のパッケージデザインに使って欲しいなぁ。(笑 ) 残念ながらフォントを持っていないのでここで使い勝手を披露することはできませんが、面白い書体なので同社Webサイトでチェックしてみてください。価格的にプロ向けですね。

たかデザインプロダクション:http://www.takadpro.com/

  タイプラボ 新書体『ルイカ』2009年9月24日 01:11
 先月11日にタイプラボから新書体『ルイカ』ファミリーがリリースされました! ちょっとモダンなゴシック体のファミリーで、なんと9ウエイトの展開となっています。これだけウエイトが揃っていると本文からロゴまで何でもござれって感じですね。


9ウエイトも揃えました!

 作者である佐藤氏の紹介文によると『大きめで読みやすく、クセのないシンプルなデザインです。』とありますが、まさにその通り。今フォント業界でトレンドとなっているユニバーサルデザイン的な特徴も盛り込まれている感じで、「もっとも新しいゴシック体」という表現がピッタリではないでしょうか。美しくて読みやすい、最先端を行くゴシック体です。


競合する他社書体(極太ウエイト)との比較


OS 標準搭載書体(本文用)との比較(PDF)

 大手メーカー製と比べてもまったく遜色ありません。というか、モリサワやフォントワークスでも氏の書体を採用しているんですから当然と言えば当然ですね。極太ウエイトは線の混み合った部分の処理が難しいのですが、ナチュラルにさばいていてさすがです。
 氏の書体全般に言えるのですが、非常に洗練されていて20年前にデザインされた書体もまったく古くささを感じさせないんですよ。間違いなく、国内トップクラスの書体デザイナーです。

 この質の高いフォントが1書体2,730円。9ウエイトセットだと19,110円。これはハッキリいって爆安だと思います。大手メーカーがOpenTypeフォントのPro仕様にして発売したら1書体15,000円は取るところでしょう。

 タイプラボのサイトでは文字数が制限されている教育漢字版の『ルイカ』を無償配布しているので、是非DLして試してみてください。

・価格:各2,730円(税込)
・Mac及びWindows版 TrueTypeフォント

タイプラボ:http://www.type-labo.jp/

  フォント910 新書体リリース!32009年9月18日 01:30
 またまたフォント910の新書体を取り上げます! 今回は先日9日に発売されたばかりの『SFオールド・ジー・クリフ』と『SF新綜明朝かな』です。



 『SFオールド・ジー・クリフ』は既存の『SFジー・クリフ』に欧文活字書体のブラックレターのテイストを取り入れたデザイン。ヨーロッパをイメージさせたい場面で特に活きてくる書体です。


これがブラックレター。ドイツ文字、ジャーマン書体とも言われ、かつてドイツの国字として使われた。
ちなみに、米国ではテキスト、英国ではゴシックと呼ばれる。



 作例はやはりドイツ関係ということで、ヒトラー暗殺計画の「ワルキューレ作戦」を映画タイトル風に作ってみました。元々装飾書体なので、凝ったデザイン処理をしなくても雰囲気が出ますね。[使用アプリケーションソフト:Adobe Photoshop CS3]


 『SF新綜明朝かな』は6月にリリースされた『SF新綜ゴシックかな』の明朝体バージョン。この書体もただ字間を詰めただけの処理で簡単にロゴっぽいものが作れます。プロの現場では時間のないときにこういうデザイン性の高い個性派書体はとても重宝します。[使用アプリケーションソフト:Adobe Illustrator CS3]

 以上のようにとても魅力的なフォント910の書体ですが、1つだけ注文。かな専用書体ということで漢字はもちろん英数字も含まれていないのですが、これだけは入れて欲しいグリフが1つあります。それは「・(中黒)」。カタカナをよく使うのですが、カタカナの単語には高い確率で「・」が使われているので、これも含まれていると置き換える手間が省けて大変助かるんですよね。検討のほど、よろしくお願いいたします。

・OpenTypeフォント:各1,500円(税込)
・Mac/Windows で利用可

フォント910:http://www.font910.jp

  フォント910 新書体リリース!22009年9月12日 00:37
 5月と6月にフォント910から新書体がリリースされましたが、そのフォントをご紹介。

 リリースされたのは次の5ファミリー、21書体です。

  • SFセイゼンゴシックW2/3/4/5/6/7/8
  • SFセイゼンロマンW2/3/4/5/6/7/8
  • SFジー・クリフかな W3/8
  • SF角POP体かな W3/8
  • SF新綜ゴシックかな W3/6/8


     どの書体も質が高い上に個性的なので、プロユースにも魅力的に映るフォントといえるでしょう。グリフのデザインはそのままに、ちょっと加工するだけでオリジナリティ溢れるロゴが簡単に作れてしまいます。作例を幾つか作ってみました。


     「SFセイゼンロマン」の作例。デザイン性の高い書体なのでロゴデザインにピッタリ。本文にも使える細いウエイトから太いウエイトまで揃っているので用途の幅が広いのも嬉しい。[使用アプリケーションソフト:Adobe Illustrator CS3]


    雰囲気のある書体を使うと、チョコバナナもおいしそうに見えますね。(笑

     「SFセイゼンゴシック」の作例。ベタ組みに近い使い方だが、それでも味のある演出ができる。この書体もウエイトがW2〜8まで展開されていて、あらゆる場面に対応が可能だ。「SFセイゼンゴシック」と「SFセイゼンロマン」は共通の骨格を持っているので、同じ紙面に使っても統一感を持たせることができる。[使用アプリケーションソフト:Adobe Illustrator CS3]


     フォント910は、9月9日に『SFオールド・ジー・クリフかな』『SF新綜明朝かな』(それぞれW6,W8の2ウェイト・計4書体)を発売し、意欲的に新書体を開発している。今後の新書体にも注目していきたい。

    ・OpenTypeフォント:各1,500円(税込)
    ・Mac/Windows で利用可
    ※フォントは かな書体専用。漢字や欧文などは含まれていない。

    フォント910:http://www.font910.jp

  •   エム・ピー・シー 倒産2009年9月11日 13:14
     ちょっと今さらではありますが、「MPC看板フォントシリーズ」を販売していた株式会社エム・ピー・シーが先月倒産しました。
    http://www.shinbunka.co.jp/news2009/08/090807-04.htm


    昭和モダン体

     個性的でレトロ感のある「昭和モダン体」や中村征宏氏デザインの「ハイパースクエアU」など、魅力のあるフォントを販売していただけに残念でなりません。 今となってはこれらのフォントの権利がどうなるかわかりませんし、最悪の場合、もう二度と世に出ることがないかもしれません。

     既に流通分しかありませんので、欲しかった人は今すぐ購入した方がいいでしょう。

    「MPC看板フォントシリーズ」(Amazon)

      大和堂『疾風』2009年9月 7日 00:00
     永らく放置していた当雑記帖ですが、不具合をやっと解消したので5ヶ月ぶりに再開です。本当は1週間に1度くらい更新したいのですが、なにぶんにも超筆無精なもので...。(汗

     大和堂より新書体、『疾風(ハヤテ)』が近日発売されることとなりました。『疾風』は やや斜体がかった隷書体なのですが、同社の『大和楷書』同様に手書きのテイストを強く残したデザインが特徴と言えます。やはり手書き独特の味わいがあるので、用途によって非常に魅力のある表現が期待できます。

     やはり石碑などに使うといい味が出そう。


     デザイン書体(飛燕)も年内に完成予定とのことです。どのような書体なのか楽しみですね。それから、大和堂のホームページが公開されました!

    http://daiwafont.jp/

    ●大和堂フォントの販売サイト
    アマゾン
    デザインポケット
    デザインエクスチェンジ
    フォントアライアンスネットワーク

      大和堂 フォントリリース!2009年4月 9日 13:19
     大和堂から「大和楷書」と「大和篆書」の2書体がリリースされました。「大和」と言っても、かつてマルスが販売していた「大和フォント」シリーズとは無関係です。

    ■大和楷書
     「大和楷書」は手書きのテイストを保ったままフォント化しているので、他の大手フォントメーカーがリリースしているような全体的に整ったものとは一線を画しています。どう違うのか具体的にダイナフォントの「中楷書体」と比較してみましょう。

    ■大和楷書
    yamatokaisho02.jpg

    ■DF 中楷書体
    dfkaisho.jpg

     ダイナフォントの楷書体は全体のバランスが良く、とてもスマートな印象を受けます。対して「大和楷書」は手書きの味を強く残しているため一字一字に力強さがあり、自己主張の強い楷書体と言えます。
     スマートな表現をしたいときは「DF 中楷書体」のような大手フォントメーカー製のデザイン処理を施した楷書体が適していると思います。しかし、まとまってしまいすぎているために人間の温かさのようなものが弱いとも言えます。そこで、そうした弱点を持たない「大和楷書」のような手書きの雰囲気を残す楷書体が威力を発揮します。

     たとえば、賞状などがいい例になるでしょう。整った楷書体を使った賞状だといかにも印刷した、既製品って感じがして安っぽさを感じてしまいます。しかし、「大和楷書」なら手書きっぽさがあるので賞状に威厳さというものが出て、賞の価値が高まったように感じさせることができるでしょう。
     誰でも賞状の1枚や2枚もらったことがあると思いますが、威厳を感じる方が絶対にいいですよね。私もかつて何枚か賞状をもらったことがありますが、本文に明朝体が使われていた賞状にはちょっと安っぽさを感じました。小学生ながら、やはり手書きだと重みを感じたものです。
    yamatokaisho01.jpg
    力強い書風が魅力の「大和楷書」

     「大和楷書」は印章の世界でも実績のある角田氏が書き下ろしたもので、達筆さに疑いはありません。その確かな裏付けのある、手書きの味を残した楷書体というところに「大和楷書」の価値があると思います。プロユースにも満足してもらえる楷書体と思います。

    ●「大和楷書」
    ・価格:14,000円(Mac及びWindws版TrueTypeフォント)
    ・価格:25,000円(Windows版OpenTypeフォント)


    ■大和篆書
     次は「大和篆書」ですが、「篆書」とは漢字の古書体のひとつで、現在は印章などに使われている書体です。「大和篆書」も特徴的な篆書体なので、他社のものと比較してみましょう。

    ■大和篆書
    yamatotensho01.jpg

    ■白舟篆書
    hakusyutensho01.jpg

     「白舟篆書」も実績のある書体で、篆書体の王道と言えるものです。対して「大和篆書」はカスレを表現に取り込んでおり、そこが大きな特徴となっています。篆書は一般人にとって古い時代のイメージがあると思いますが、「大和篆書」はそのイメージをカスレを付加することにより、より古い雰囲気を持たせることになりました。印章以外にもグラフィックデザインなどに用いれば効果的な表現を可能にしてくれそうです。特に篆書のような書体は数が少ないので今回のリリースは嬉しいですね。

    ●「大和篆書」
    ・価格:各14,000円(Mac及びWindws版TrueTypeフォント)

     なお、大和堂フォントは別途契約無しで印刷物作成、、看板制作、文書作成、印章、プレート、墓石、石碑彫刻・版下作成・篆刻・刻字・落款等に使用することができます。

     現時点では残念ながら「大和堂」のWebサイトは存在しないようですが、入手は下記のネット通販サイトで購入することができます。