【フォント】
本来フォントとは、同一書体で同一の大きさの大文字・小文字・数字など、欧文活字の一揃いのことを指すが、コンピュータの普及に伴い、コンピュータ上で表示したり印刷したりする際の文字の形、との解釈も生まれた。また、文字の形をデータとして表したものをフォントと呼ぶ場合もある。(デジタル・フォント)また、書体。タイプフェイスとも。
【活字】かつじ
活版印刷や和文タイプに用いる字型。繰り返し使用するところから、活きている字の意。活版用は鉛合金を、タイプ用は亜鉛合金を用いて方形柱状に作り、その頂面に文字類を左右逆に浮き彫りにしたもの。古くは陶土・木材などを材料としたが、1445年頃グーテンベルクが鉛合金の活字を考案し、実用化した。大きさを表すのに、日本ではポイントと号数を用いる。書体には、和文に明朝体・ゴシック体・アンチック体など、欧文にローマン体・イタリック体・サンセリフ体・スクリプト体・ゴシック体などがある。
【写植】しゃしょく
写真植字の略。写真的方法で印画紙またはフィルムに印字する装置。ガラス板上の白抜きの文字・記号をレンズにより拡大・縮小・変形し、感光材料上に投影露光する。文字版下を作るのに用いる。コンピュータを用いた電算写植機が主流だが、DTPの普及で今や風前の灯火。
【字母】じぼ
活字を鋳造するもとになる字の字面を形成する金属製の型。母型。製作法によって、電胎母型(ガラ母型)・彫刻母型(ベントン母型)・打込母型(パンチ母型)の3種がある。
【カーニング】kerning
文字の間隔を詰めることです。多くのCID・ATMフォントには詰め情報が含まれており、詰めを指定するだけで自動的に字間を調整することができます。ただし、漢字は詰まりません。また、字面を超えた詰めは手動で行う必要があります。字詰め。
(1)【濁点】だくてん
清音のかなの右上につけて、濁音であることをあらわすしるし。「が・ぎ・ぐ…」などの「゛」。濁音符。
(1)【濁音】だくおん
ガ・ザ・ダ・バ行音とそれらに対応する拗音。カ・サ・タ・ハ行の仮名の右肩に濁点「゛」をつけて表す。原則として,有声無声が音韻論的に対立する場合,有声子音の含まれる音節をいう。
(2)【半濁点】はんだくてん
パ行音などのかなもじの右肩につける「゜」のしるし。半濁音符。同じ半濁点をカ行のかなもじにつけて鼻濁音を表すこともある。
(3)【拗音】ようおん
他の仮名に「や・ゆ・よ・わ」の仮名を小さく書き添えて表す音。「きゃ」「しゅ」「ちょ」などヤ行の仮名を添える開拗音と,「くゎ」などワ行の仮名を添える合拗音がある。現代では合拗音は「くゎ」「ぐゎ」のみが方言として残っている。→直音
(4)【清音】せいおん
日本語で、濁点・半濁点をつけないかなで表す音。「バ・パ」に対して「ハ」、「ガ」に対して「カ」など。
(5)【句読点】くとうてん
句点と読点。現在は多く句点には「。」、読点には「、」を用いる。
(6)【約物】やくもの
文字・数字以外の各種記号活字の総称。句読点・括弧類・圏点・漢文用返り点など。
【永字八法】えいじはっぽう
よくフォントのパッケージなどに「永」の文字があるけど、なんで「永」なんだろう? と考えていた人も多いかと思いますが、「永」という字は書道で、一字に備わっている八通りの筆づかい。すべての文字に応用できる基礎的な筆法とされているからです。
【ウロコ】
明朝体の横線の右端にある三角形。毛筆の筆おさえの名残です。魚の鱗に似ていることから「ウロコ」と呼ばれるようになった。
【ウエイト】Weight
細・中・太・特太・極太といった、文字の太さの段階のこと。見た目の重量感からウエイト(重量)といわれているようです。表記は、細=L(Light)、標準=R(regular)、中=M(Medium)、太=B(Bold)、特太=H(Heavy)、極太=E(Extra)、超極太=U(Ultra)や、W(Weight) 5 といったように、英数字で表します。
【ファミリー】Family
同じデザインエレメントに基づいて制作された書体の一揃え。ウエイトやエレメントのバリエーションの違いのファミリーがあります。また、味岡伸太郎氏の仮名書体は、骨格のファミリーという新しい概念を打ち出しました。
【セリフ】Serif
文字の先についているヒゲのようなもの。ついていない文字をサンセリフといいます。和文の明朝体には必ずついていますが、ゴシック体にはついているセリフ系とついていないサンセリフ系とがあります。欧文の場合は、ゴシック体(サンセリフ)には普通ついていません。
【ポイント】Point
元はポイント活字の大きさの単位。フォントの大きさをコンピュータ上で表す際の単位にも使われる。1ポイントは、72分の1インチ。ミリで表すと約0.353ミリになります。一般的な文書は10ポイント〜12ポイントが使われている。レイアウトソフトなどでは写植で使っていた「級」で表示することもできます。
【エレメント】Element
書体でいうエレメントとは、文字を構成する為のさまざまな形、部品(パーツ)をいいます。
【仮想ボディと字面】
仮想ボディとは、文字を納めている枠です。字面とは、仮想ボディ内に実際にデザインされている文字の大きさのことです。書体によって字面を大きくとったものと、小さく抑えたものがあります。
ここからはコンピュータにおける書体、つまりフォントにまつわる用語を勉強していきましょう。
【文字化け】
DTPやWeb制作、MacとWin間でデータのやりとりをしたことのある方なら、必ず1度は「文字化け」に遭遇したことがあると思いますが、勘の良い人なら、文字化けの法則に気づくのではないでしょうか。というのも、文字化けする文字のほとんどは「システム外字」という文字コードに入っているのです。この「システム外字」は未だに統一規格がなく、Macには大別して「漢字Talk6.0.7互換」と「Apple標準」という異なる2つの使用コードがあります。「漢字Talk6.0.7互換」を採用しているのがモリサワやフォントワークス等がリリースしているポストスクリプトフォントで、「Apple標準」はTrueTypeフォントで採用されていますが、厳密に決まっているワケではありません。また、MacとWindowsでも違いますし、メーカー各社によっても微妙に異なるのでとてもややこしいです。 つまり「文字化け」とは、「Apple標準」を採用しているフォントを「漢字Talk6.0.7互換」を採用しているフォントに置き換えた(もしくは逆の)場合に発生するワケですね。原則的に「システム外字」の使用を避けることがトラブル回避の一番の有効手段といえるでしょう。
※「ビブロス外字」等、メーカーが独自に外字を割り当てている場合も文字化けの要因になります。
※MacとWindowsではシステム外字以外でも文字コードが若干違うものもあり、「機種依存文字」といわれることもあります。
◆「システム外字」比較一覧表
【プロテクト】
ポストスクリプトフォントのほとんどには、プロテクトというコピー防止や使用制限が設けられていて、原則一度しかインストールできないようになっています。これはフォントというものが他のアプリケーションソフトとは少し性格が違うので、利益を確保するためにやむを得ない措置なのかもしれませんが、正直いってとても不便です。まぁ、ここで文句をいってもしょうがないので深く言及しませんが、このプロテクト、メーカーによって扱いが若干異なります。
モリサワやフォントワークスの場合、ATMフォントは特定のMac+特定のHDDの組み合わせであれば何度でもインストール可能。(HDDのパーティーションを変えたり、初期化すると再インストール不可となります。) プリンタフォントは特定のプリンタであればHDDを交換しても何度でもインストールできます。 NISやダイナフォントの場合は数回までは柔軟に再インストール可能。創英企画の「字林」やセイビ書体にはプロテクトはないようです。
違うマシンに入れ直したい場合や、回数制限に達した場合は、フォントメーカーにプロテクト解除を要請する必要があります。また、キープロテクトの施されたFDは、メーカーによってフロッピーディスクドライブの機種を選ぶので、外付けUSB接続FDDを購入する際は事前に対応状況を調べる必要があります。私が調べた限りでは、ヤノ電器の「UFD-04」が一番問題ないようです。
◆フォントメーカー各社のUSB接続FDドライブ対応一覧表
現在ではフォントメーカー各社はOpenTypeフォントでのプロテクト方式を変更し、FDを採用しなくなりました。
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